ジョセフ・スミス・ジュニア(Joseph Smith, Jr. 1805-1844)
末日聖徒イエス・キリスト教会の設立者、教会の初代大管長、預言者、モルモン書の翻訳者。
生涯
生い立ち
アメリカ合衆国バーモント州にてクリスチャンの両親と11人兄弟の5番目の子どもとして生まれます。幼いころから両親、兄弟共に農場などで働き、家計を支え、弟や妹たちの世話をし、また両親の影響もあって聖書を熱心に学んでいました。
聖書の教えに従う
ジョセフが14歳のとき、各地で宗教に関する論争が起こり、いったいどの教会が正しいのかジョセフは混乱していました。
そんなある晩聖書を読んでいると、次の聖句に目が留まりました。
ジョセフはこの聖句について熟考し、まさに知恵に不足している者は自分であると悟り、聖書の教えを実践しようと決意したのです。
最初の示現
ある春の日の早朝に、ジョセフは近くの森に入り、誰もいない静かな場所を見つけ、ひざまずき熱心に神に祈ります。どちらの教会がただしいのかと。
ジョセフが熱心に祈っていると、天から父なる神とその御子イエス・キリストが来臨され、ジョセフの前に現れます。そして御二人はジョセフに対して、今はどの教会にも入るべきではない、かつてあった神の教会をこの地上に再び回復するためにさまざまな準備が必要であることを伝え、ジョセフがその役割を果たすために選ばれたことをお伝えになったのでした。
教会の回復
その後ジョセフは何度も、神が遣わされた天使から教えと導きを受け、ついに1830年4月6日、ニューヨーク州フェイエットに末日聖徒イエス・キリスト教会を設立します。そしてジョセフは、末日聖徒イエスキリスト教会の初代大管長、預言者、聖見者、啓示者として支持されました。
またジョセフは神権の回復、古代アメリカ大陸の記録であるモルモン書の翻訳、死者のために儀式を行うのに必要な神殿建設、教会の教えを世に伝えるための伝道活動など、さまざまな神のみ業を行っていきました。
殉教
最初の示現があった直後から、ジョセフは人々から誹謗中傷の的となり、常に暴徒から命を狙われる日々でした。そして1844年6月27日、イリノイ州カーセージにある牢獄で、ジョセフと他3人は銃を持った暴徒たちに襲われ、ジョセフとその兄ハイラム・スミスはその凶弾に倒れます。
ジョセフが遺したもの
教会の基本的な教え
現在の教会の基本的な原則や教えや戒めなどは、ほぼすべてジョセフの時代に定められました。神はジョセフを通して律法を授け、指示を与え、教会の基礎を形成していきます。ジョセフ以降の大管長によって与えられた戒めも多いですが、教会の基礎は、ジョセフによって確立されたと言っても過言ではありません。
全世界に福音を宣(の)べ伝える
たった6人で組織された末日聖徒イエス・キリスト教会ですが、現在までに約1.500万人以上の会員数となり、200近い言語でモルモン書やその他の教会書籍が翻訳されるまでになりました。ジョセフは主の教えを全世界に広めることにも大変熱心で、自ら旅をして福音を教え続けました。そして現在もジョセフの遺志を継いだ宣教師が、全世界のさまざまな言語の国で伝道活動を行っています。
死者の為の救いの業
ジョセフは生前、神殿の建設にも熱心でした。モルモンにおいて神殿とは人が救いを得るために不可欠な儀式を行う場所であり、それは亡くなった先祖にとっても例外ではありません。現在でも教会員は自分の先祖の系図を調べ、その先祖の代わりに神殿に入り、先祖のために救いの儀式を受けるように勧められています。
ジョセフのエピソードなど
学歴はほぼないに等しかった
少年時代のジョセフは、同年代の少年たちと同じようよく遊び、また家族を支えるために熱心に働いていました。しかし学校で学ぶ機会はほぼなく、両親から基本的な読み書きを教わっただけでした。ジョセフが教会を設立したときも、周囲の人からは学歴がないことを馬鹿にされたそうです。しかしジョセフは神の力と助けにより、モルモン書を翻訳し、聖書について解き明かし、真の知識を人々に与えたのです。
かなり体格も良く力持ちだった
預言者と聞くとおじいさんで髭が長くて謎めいている雰囲気ですが、ジョセフはそれらのイメージとは違って、身長は180cm以上あり、非常に体格もよく、髭も薄かった、とあります。
ジョセフはレスリングや棒引きなどの力比べも得意で、力も非常に強かったようです。また歌やダンスも好み、人々が疲れて落ち込んでいたりすると、自ら歌い踊り、人々を励ましたり勇気づけたりしていました。
我慢強い子どもだった
ジョセフが7歳のときに腸チフスが原因で、感染症にかかり、その感染が脚の骨にまで広がりました。医師は脚を切断することを勧めましたが、ジョセフはそれを拒み、手術によって腐った骨を取り出すこととなりました。
手術の際に医師は麻酔代わりのアルコールを飲むことをジョセフに促しますが、ジョセフはこれを拒否し、父親に抱かれて手術を受けることを望みます。麻酔なしでの手術は激痛を伴うものでしたが、ジョセフはこれに耐え、無事に手術は成功します。
この話は、教会の子供たちは必ず日曜学校などで学ぶ有名エピソードです。
まとめ
ジョセフはイエス・キリストをのぞく他の誰よりも、人々の救いのためにその身を捧げたと言われています。
わたしたちモルモンは、ジョセフ・スミスを預言者、聖見者、啓示者として心から信じています。またそのあとに続く大管長やその他の指導者も、ジョセフの遺志を継ぎ、わたしたちを主の正しい道に導いて下さるということを信じています。

最後までお読みいただきありがとうございました。
あなたにとって今日も明日もよい日でありますように!
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